「メモリアル・ダイヤモンドに興味があるけれど、ダイヤモンド葬をすべきかどうか迷っている」
という方は、多いのではないでしょうか。
ダイヤモンド葬はまだ歴史が浅いため、世間に十分に認知されているわけではありません。
そのため 、亡くなった方の遺骨をダイヤモンドにするということに違和感を持っていたり、あるいは、遺骨を埋葬しないことで何かよくないことが起きるのではないかという不安を感じている方が多いようです。
そこでこの記事では、ダイヤモンド葬を選ぶメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
ダイヤモンド葬について知ることで、不安を感じる必要はないということを理解し、大切な方の埋葬について、より確かな判断をすることができるようになるでしょう。
ダイヤモンド葬の4つのメリット
メモリアル・ダイヤモンド作って供養をする「ダイヤモンド葬」のメリットを、4つのポイントに分けてご紹介します。
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
① ずっと手元に置いておける
② アクセサリーとして身に着けられる
③ 埋葬しないのでお墓が必要ない
④ ダイヤモンドという宝石の魅力
① ずっと手元に置いておける
ダイヤモンド葬を選ぶことで、遺骨をダイヤモンドのかたちに変えて、ずっと手元に置いておくことができるというメリットがあります。
一般的な埋葬方法と比べると、遺骨を手元に置くという行為は、一風変わったやり方に思えるかもしれません。
しかしこの方法は、すでに広く行われている「手元供養」の一種であるとも言えます。
手元供養とは?
遺骨を埋葬せず、自宅や身近なところに置いておくことを手元供養と言います。
実は、遺骨は必ずしも埋葬しなければならないわけではなく、手元に置いておくことは法律上も問題ありません。
手元供養として、遺骨の一部、あるいは全部を自宅に保管したり、小さなケースに入れて身に着けている方も多くいらっしゃいます。
手元供養を選ぶ理由はさまざまですが、大切な方といつまでも一緒にいたい、身近な場所で見守っていてほしいという想いをお持ちの方が多いようです。
いつもそばにいて見守っていてもらえることで、大切な方を失った悲しみを癒すことができるというメリットがあります。
また、「ずっと一緒にいたい」という故人の希望で、手元供養を選ぶケースもあるようです。
・手元供養として身近な場所に置いておける
・いつもそばにいて見守っていてもらえる
② アクセサリーとしていつも身に着けていられる
ダイヤモンド葬では、遺骨をメモリアル・ダイヤモンドにして、指輪やネックレスなどのアクセサリーを作るケースが多いようです。
アクセサリーにすることでいつでも身に着けていられますし、持ち運びもしやすいというメリットがあります。
持ち運びの手軽さはとても大きなメリットで、例えば、旅行に行く場合にも気軽に身に着けて一緒に過ごすことができますし、引っ越しをする場合にも特別な梱包を必要としません。
もし、分骨した遺骨を身近なところに常に置いておこうとすると、ある程度の配慮が必要になるでしょう。
しかし、ダイヤモンドのアクセサリーなら、何の遠慮も違和感もなく、いつでも一緒に過ごすことができます。
・持ち運びしやすい
・旅行などの際にも一緒にいられる
・引っ越しの際に特別な梱包が不要
③ 埋葬しないのでお墓が必要ない
遺骨のすべてを使ってメモリアル・ダイヤモンドを作る場合、遺骨を埋葬する必要がありません。
つまり、お墓が要らないのです。
お墓を建てて、管理費を払い続ける必要もないので、経済的な負担を減らせるというメリットがあります。
家族の人数が多く、親戚関係が密であった時代には、誰かしらがお墓を管理し、引き継いでくれていたものです。
でも今の時代は、そうではありません。
お墓の管理や定期的な供養が大きな負担になっている方や、将来的にお墓を引き継いでくれる人がいなくて困っている方にとって、お墓が必要ないというダイヤモンド葬の特徴は、大きなメリットと言えるでしょう。
ちなみに、ダイヤモンド葬では、遺骨の一部でメモリアル・ダイヤモンドを作り、残りの遺骨を埋葬するという方法も可能です。
・お墓が要らない
・お墓に関する経済的な負担がない
・お墓の跡継ぎについて心配がいらない
④ ダイヤモンドという宝石の魅力
ダイヤモンドという宝石の魅力も、ダイヤモンド葬のメリットのひとつです。
遺骨から作るメモリアル・ダイヤモンドは、天然のダイヤモンドと同じ成分を持つ、れっきとした宝石です。
遺骨を、ダイヤモンドという永遠の輝きを持つ美しい宝石に形を変えることで、大切な方との思い出を美しいかたちで残すことができます。
さらに、メモリアル・ダイヤモンドには、遺骨に含まれる成分によって色が変わるという特徴があります。
他とは違う唯一無二の美しいダイヤモンドとして、大切な方が生きた証を残すことができるという点も、ダイヤモンド葬の大きな魅力のひとつです。
・美しい宝石として故人の思い出を残せる
・それぞれ色の違う唯一無二のダイヤモンドを作ることができる
ダイヤモンド葬の4つのデメリット
ダイヤモンド葬を選ぶたくさんのメリットをご紹介しましたが、もちろん、デメリットについても知っておく必要があります。
一般的に、ダイヤモンド葬のデメリットと言われている4つのポイントをご紹介し、それぞれの対処方法と合わせて詳しく解説していきます。
① 周囲の人に理解されない可能性がある
② ダイヤモンドにした遺骨は元に戻すことができない
③ 紛失のリスクがある
④ 故人の遺骨であると証明することができない
① 周囲の人に理解されない可能性がある
ダイヤモンド葬を選ぶ場合の最も大きなデメリットは、ダイヤモンド葬がまだ十分に認知されていないため、周りから反対されてしまう可能性があるということです。
まず、お墓に埋葬しないことについて理解してもらう必要がありますし、遺骨からダイヤモンドを作ってもバチはあたらないこと、メモリアル・ダイヤモンドは正真正銘、遺骨から作られたものであることを、何度も説明しなければならなくなるでしょう。
ダイヤモンド葬を無理に選ぼうとすると、遺骨をお墓に埋葬しなければ成仏できない、それではちゃんと供養してあげられないといった言葉をかけられるかもしれません。
もちろん、遺骨を埋葬しなくても故人は成仏できますし、手元に置いてしっかりと供養をすることができます。
強く反対している人にも、ダイヤモンド葬とは何なのか、なぜダイヤモンド葬を選んだのかということについて、時間をかけて根気強く説得すれば、理解を得られるかもしれません。
しかし、大切な方を亡くした悲しみの中で、気持ちの余裕のない中で、周囲の意見に押し切られてダイヤモンド葬をあきらめざるを得ないというケースは多いのではないでしょうか。
どうしても周囲の人に理解してもらえないという場合は、分骨して、一部の骨をお墓に埋葬することで納得してもらう必要があるかもしれません。
デメリットへの対処方法
・分骨して、一部の遺骨はお墓に埋葬する
② ダイヤモンドにした遺骨は元に戻すことができない
メモリアル・ダイヤモンドを作ったあと、ダイヤモンドの状態から遺骨に戻すことはできません。
一度ダイヤモンドにかたちを変えた遺骨は、元には戻らないという点をしっかりと理解しておきましょう。
実際は、「遺骨に戻したい」というニーズはかなり珍しいケースだと思います。
しかし、大切な方を亡くした悲しみで、十分に検討する余裕もなくダイヤモンド葬を選んでしまい、後悔するということがあるかもしれません。
もし、お墓に埋葬するかダイヤモンド葬を選ぶか迷っているような場合は、分骨しておくことをおすすめします。
ダイヤモンド葬では、遺骨の一部でダイヤモンドを作り、残りの遺骨を埋葬する(あるいは手元に残す)という方法が可能です。
また、メモリアル・ダイヤモンドを作ったあとで、やはりどうしてもお墓に埋葬しなければならなくなったという場合は、メモリアル・ダイヤモンドを埋葬することを検討してみると良いでしょう。
メモリアル・ダイヤモンドは故人の遺骨からできているものなので、遺骨そのものだと言えますし、副葬品として骨壺に入れることも可能です。
※骨壺に副葬品を入れられない場合もあります
ただし、一度埋葬したあとでお墓から取り出すのは簡単ではないという点を覚えておきましょう。
デメリットへの対処方法
・迷う場合は、分骨して遺骨を残しておく
・メモリアル・ダイヤモンドをお墓に埋葬する
③ 紛失のリスクがある
アクセサリーに加工したメモリアル・ダイヤモンドは、持ち運びが容易なため、頻繁に使用しているうちに紛失してしまう危険があります。
お墓に埋葬した遺骨や、手元供養として自宅に安置している遺骨は紛失の心配がありませんので、紛失のリスクがある点はダイヤモンド葬の大きなデメリットと言えるでしょう。
また、メモリアル・ダイヤモンドは、必ずしもアクセサリーに加工する必要はなく、研磨する前の原石の状態、あるいは、加工する前の裸石(ルース)の状態で受け取ることも可能です。
原石やルースの状態のダイヤモンドは特に、金庫を利用するなど、保管方法を工夫する必要があります。
メモリアル・ダイヤモンドにレーザーで刻印を入れるサービスもあるので、盗難に備えて、管理番号を刻印している企業を選ぶと安心です。
デメリットへの対処方法
・金庫に保管する
・管理番号をレーザーで刻印してもらう
④ 故人の遺骨であると証明することができない
とてもレアなケースですが、故人との血縁関係を証明しなければならないような場合、メモリアル・ダイヤモンドでDNA鑑定をすることはできません。
ただし、この問題はダイヤモンド葬に限ったデメリットではありません。
そもそも、高温で火葬された遺骨にはDNAが残っていないので、火葬された時点で、故人との血縁関係を証明することはできなくなっているのです。
従って、証明ができないという点はメモリアル・ダイヤモンドに限ったデメリットではありません。
まとめ
大切な方の遺骨をどのように埋葬するかについては、各家庭のさまざまなご事情や、ご遺族の意志、親類縁者の方々がどう思うかといったことも考慮して選ばなければなりません。
お墓に埋葬するか、ダイヤモンド葬にするか。あるいは、別の埋葬方法を選ぶか。
たくさんの選択肢の中から、より納得のいく方法を選ぶためには、それぞれの埋葬方法についてしっかり理解しておくことが大切です。
特に、まだ世間一般には十分認知されているとはいえない、ダイヤモンド葬のような比較的新しい埋葬方法に対しては、批判や反対の意見が出る可能性があります。
ダイヤモンド葬のメリットとデメリットを理解したうえで、ダイヤモンド葬を選ぶ理由や想いをしっかりと伝えることで、より多くの人からの賛同を得ることができるでしょう。