生前整理と遺品整理は、同じようなものだと考えている方が多いかもしれません。
2つ並べて語られることもありますが、生前整理と遺品整理は別物です。
具体的な作業内容はとてもよく似ていますし、もし業者に作業を依頼するとしたら、ほぼ同じ作業内容と料金体系になるでしょう。それでも、生前整理と遺品整理は違う種類のモノなのです。
生前整理と遺品整理の違い、生前整理をやった場合とやらなかった場合の違いについて見ていきましょう!
生前整理と遺品整理は同じではない
生前整理とは、家やモノの所有者が自分で片付けをすることです。
そして、遺品整理とは、家やモノの所有者が亡くなったあと、他の誰かが片付けをすることです。
生前整理:生前、自分の持ち物を自分で片付ける
遺品整理:死後、自分の持ち物を誰かに片付けてもらう
生前整理を行うのは、家やモノの持ち主。つまり、本人です。
一方、遺品整理を行うのは、多くの場合、亡くなった方の遺族です。該当者がいなければ、家の管理者が行う場合もあります。
また、生前整理は、家やモノの持ち主の生存中に行います。
一方、遺品整理は、持ち主が亡くなった後に行われます。
生前整理と遺品整理を、同時に行うことはありません。
生前整理 ⇒ 持ち主が亡くなる ⇒ 遺品整理
生前整理よりも遺品整理のほうが大変な理由
自分で自分の持ち物を片付けることだって、簡単ではありません。
でも、他の人の片付けを肩代わりする場合、より多くのお金と時間がかかります。さらに、精神的な負担もより大きくなります。
なぜなら、たとえ家族であっても長年暮らした実家であっても、持ち主でない限り、どこにどのようなモノが保管されているかわからないからです。
書類の山に、大切な契約書や証券が埋もれているかもしれません。
古着がつまった引き出しの奥に、預金通帳が隠されているかもしれません。
残された大量の家財道具を、価値のあるモノなのか廃棄処分すべきモノなのか、いちいち判断しながら分別し、片付けていく必要があるのです。大変な作業ですよね。
また、要らないモノを廃棄処分しようと思っても、自分が住んでいない地域でゴミを捨てるのは簡単ではありません。
その地域のゴミの分別方法、ゴミ出しのルールがわからないからです。
「生前整理も遺品整理も似たようなもの。どちらかやればいい」なんて思っている人は、自分で自分の持ち物を片付けて整理することと、他の誰かの持ち物を片付けるのでは、負担がまったく違うということを理解する必要があります。
生前整理でモノを減らしておけば後で困らない
家一軒分の片付けを業者に依頼すると、50~100万円近い費用がかかることを、ご存知でしょうか?
遠方に暮らす遺族が、実家の片付けを自力で行うのは、ほぼ不可能です。
1ヶ月ほど仕事を休んで実家に泊まり込み、少しずつ自治体のごみ回収に出したり、まだ使えるものを売ったりしながら少しずつ片付けるのならば話は別ですが、仕事や子育てに忙しい世代にそんな暇はありません。
短時間で効率的に片付けるためには、高額の費用を払って業者に片付けてもらうしかないのです。
でももし、生前整理で不用品がほとんど片付き、家の中には必要最低限のものだけしか残されていなかったとしたらどうでしょう?
・大量の古着が押し込まれたタンス
・古びた書籍がぎっちりつまった本棚
・重たい古い食器が大量に詰め込まれた食器棚
・いつのモノとも知れない古びたストックの山
このようなモノがなかったとしたら、遺品整理はとても簡単に済むのではないでしょうか。
残されるモノが必要最低限の家財道具だけなら、業者に処分を丸投げする必要がなく、遺族が心を込めて遺品整理することができるかもしれません。
つまり、生前整理で家がすっきりと片付いていれば、遺品整理にかかる手間とお金を大幅に減らすことができるのです。
生前整理をして住まいを快適に整えておこう!
生前整理をする目的は、老後も安心して暮らせる快適な住まいを作ること。そして、遺品整理で遺族が困らないようにすることです。
もう誰も使わないモノ、残しておいても処分に困るモノをできる限り処分することで、生前整理の2つの目的を実現することができます。
若い頃に集めたコレクションや貴重品を廃棄処分することに迷うなら、今のうちに売ってしまうか、誰かにゆずってしまいましょう。
今の自分にとって大切なモノであったとしても、遺品整理をする遺族にとって、同じように大切なモノであるとは限りません。潔く処分するか、ネットのフリマサイトなどで欲しい人に売ることをおすすめします。
モノが減れば、大きなタンスや本棚を処分することができるので、家の中がすっきりと片付きます。
生前整理をすれば、遺品整理の手間を大幅に減らせるうえ、広々とした部屋で快適に暮らせるようになるはずです。
まとめ
生前整理と遺品整理は、同じではない。
生前整理よりも、遺品整理のほうが手間やお金、時間がかかる。
生前整理をすることで、快適に生活できるようになる。
生前整理をすることで、遺品整理の手間を減らすことができる。
生前整理は、必ずしもやらなければならないわけではありません。
でも、生前整理をすることで大きなメリットを得ることができます。
まずは、モノを少しずつ減らすことから始めて、快適な生活空間を手に入れましょう!
そうすることで、遺族への負担を大幅に減らすことができます。