「生前整理って、何をすればいいの?」と思ったら、とりあえず断捨離をやってみましょう。
断捨離で家の中をすっきりさせることは、生前整理の第一段階としておすすめのステップです。
家の中を片づけることで、これから先の人生をより快適するための家づくり・部屋づくりをスムーズに進められるようになります。
断捨離とは? 2009年に始まったって本当?
生前整理を始める前に、断捨離の基本的な考え方を再確認しておきましょう。
ところで、断捨離(だんしゃり)って、不思議な響きを持つ言葉ですよね。
古くから存在する、何か特別な意味を持った言葉のように見えますが、実は、比較的新しい言葉です。
広く知られるようになったのは、2009年。作家やましたひでこ氏の著書の中で、暮らしと人生をより身軽で快適なものにするための思想として紹介されました。
ちなみに、断捨離という言葉は、ヨガの修行として行われる『断行・捨行・離行(だんぎょう・りぎょう・しゃぎょう)』に由来します。また、『捨』は、心の在り方を表す重要な仏教用語のひとつでもあります。
断捨離では、不要なものを処分すると同時に、家に不要な物が入ってこないようにします。入って来る物を断ち、要らない物を捨てることで、物への執着からも離れていくことを目指すというわけです。
物だけでなく、さまざまなことへの執着から解放されることで、より自分らしい人生を目指すのが断捨離の目的です。
【断】家に入ってくる要らない物を断つ
【捨】家の中の要らないものを捨てる
【離】物への執着から離れる
生前整理で生活環境を整えることが大事!
生前整理を行う主要な目的のひとつは、生活環境をこれから先の状況に合わせて改善し、暮らしやすくすることです。
どうして、生活環境を変える必要があるのでしょうか?
それは、年を取ってからの生活は、若い頃とは違うからです。
あなたが生前整理を始めようと考え始めたのは、子どもが独立し、家で暮らす人数が少なくなってきた頃ではないでしょうか。それは、自分自身も少しずつ年をとり、無理がきかなくなり始める時期でもあります。
その頃には、今までのようにたくさんの物は必要なくなり、大きな家を維持管理することが負担になってくるはずです。
実際、定年退職後に戸建ての大きな家を売って、集合住宅や平屋の小さい家に住み替えるケースは少なくありません。
寿命が伸びたことで、少し前の時代と比べると、私たちはずいぶん長い老後の時間を過ごすことになりました。その長い老後の時間を快適に暮らすためには、老後の生活スタイルに合わせて、生活環境を整えておく必要があるのです。
そのための第一歩が、断捨離です。
断捨離で得られる効果
断捨離は、要らない物を捨てるだけの作業ではありません。
物への執着から離れることが、断捨離の大きなテーマのひとつです。
【離】物への執着から離れる
確かに、物を大切に、最後まで使い切る「もったいない」という精神は、日本人の美徳と言えるでしょう。
しかし、クローゼットに詰め込まれた大量の洋服、倉庫に眠る使い切れないほどのストックは、大切に使われていると言えるでしょうか?
断捨離を通して、私たちは、要らない物を処分することだけでなく、不要なものを家に入れないということを学びます。そして、物への執着を手放し、物との付き合い方をも学ぶことができます。
断捨離をきっかけに要らないものを処分!
長く暮らしていると、どうしても家の中に物が増えてしまいます。
その時々で必要な物を購入しているだけなのに、気がつけば、押し入れやクローゼットの中は物でいっぱい!
でもよくよく見てみると、当たり前の顔をして家中の収納を埋め尽くしているのは、こんなものばかりではないでしょうか?
・若い頃に着ていた有名ブランドの服
・古びたカバン
・かかとの高い靴
・定期購入していた雑誌のバックナンバー
・集めていた漫画
・一度読んだきりの文庫本
・一目惚れして買った雑貨
・お土産でもらった飾り物
・来客用の寝具
・来客用の食器
・壊れた電化製品
・汚れたぬいぐるみ
・買ったけど使わなかった物 など
そこにあるのが当たり前になっていて、なくても困らないけれど、捨てる理由のない品々。このような物を処分するのは、実は意外と大変なのです。
なぜかというと、居場所を確保してしまっている物は、わざわざどかす必要がないからです。要らないから捨てようと思っても、「とりあえずここに置いておけばいいか」と考えてしまいます。そして、置き場がある物には存在する理由があるように見えてしまうのです。
断捨離を行うことで、「もったいない」という気持ちや、物への執着を手放すことができます。
物を捨てるのが苦手な人も、断捨離をきっかけに、要らない物を少しずつでも処分することができるようになるでしょう。
物が減るとコンパクトな暮らしができる
物が減ると、片付けや掃除がとても楽になります。
物の管理も、簡単です。
クローゼットに空きスペースがあれば、物の出し入れがとてもスムーズです。
そして、持ち物が少なくなると、コンパクトな暮らしが可能になります。
これこそが、生前整理で断捨離から始めるべき理由です。老後の生活に適したコンパクトな暮らしを手に入れることが、生前整理を成功させるコツなのです。
持ち物が少なければ、住みよい暮らしのための模様替えや、住み替えも、簡単。
要らない物を捨て、余計な物を家に持ち込まないようになれば、コンパクトな住まいでも快適に暮らすことができるでしょう。
断捨離を通して物との付き合い方を見直すことで、老後の生活をより快適に変えていくことができます。
まとめ
生前整理の第一歩には、断捨離がおすすめです。
断捨離に難しいテクニックは必要ありません。まずは、物を捨てること、家に要らない物を入れないことから始めてみましょう。
もし、より効果的な断捨離を行いたいなら、断捨離については、本やネットのさまざまなサイトで紹介されていますので、詳しい手法や手順を学ぶことができます。