生前整理では何をするべき? 具体的な片付けのプランをご紹介します

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生前整理では、どのようなことをすればよいのでしょうか?

そもそも、生前整理には決まったルールがあるわけではないので、どのように進めればよいのかわからず困ってしまいますよね。

効果的な生前整理を行うには、目的に応じた整理や片づけをすることが大切です。

生前整理を行う目的とは何か?

【1】老後の生活を快適にする
【2】残される家族の負担を減らす

この2つの大きな目的に沿って整理・片づけを進めていけば、意味のある、より役立つ生前整理を行うことができます。

これから、2つの目的に沿って効果的に生前整理を進めていくための具体的な作業プランをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

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目次

老後の生活を快適にする4つのプラン

一人がけチェアの画像

生前整理を行う大きな目的のひとつは、これから(老後)の生活をより快適なものにすることです。
そのために役立つ、生前整理の4つのプランをご紹介します!

生前整理の4つのプラン(自分の老後の生活のため)

① 不用品を廃棄処分する
② 今はもう使っていない物を処分する
③ 家のレイアウトを見直す
④ 家財道具を使いやすいものに買い替える

全て行う必要はありません。
ご自分のこれからの生活をイメージしながら、できる範囲で整理・片づけを行っていきましょう

① 不用品を廃棄処分する

家の中にある、壊れている物・不具合がある家財道具・ひどく汚れている物・カビが生えた物などを、きっぱり廃棄処分しましょう。

不用品の処分はいつでもできると思うかもしれませんが、ごみ捨てなどの作業は、年を取るにつれてどんどん負担になっていきます。物を分別する作業も次第に億劫になっていくでしょう。

不用品の処分は、元気に体を動かせるうちにさっさと済ませておくことがとても大切です。

生前整理で処分すべき不用品の一例

・壊れた家電、不具合がある家電
・破損した家具、家財道具
・汚れのひどい家具、家財道具
・カビの生えた家具、家財道具

② 今はもう使っていない物を処分する

かつては必要だった・大事だったけれど、今はもう必要ではない物を、生前整理でまとめて処分しましょう。

  • 若い頃に着ていた洋服
  • 昔やっていた趣味の道具
  • 昔やっていたスポーツグッズ

若い頃着ていた服は、今着ていないのであれば、この先着る機会はもうないでしょう。
昔夢中になっていたスポーツや趣味の道具は、コンスタントに続けているのでなければ、今後使う機会は訪れません。もし、十数年ぶりに再開するのであれば、今の時代に合った道具を揃えるほうがより楽しむことができるはずです。

とは言っても、まだ使える道具をあっさり捨ててしまうのはちょっと気が引けますよね。

今はもう使っていない物を処分するには、次の3ステップで処分する方法がおすすめです。

まだ使える物を処分する3ステップ

① 使ってくれる人に無料で譲る
② リサイクルショップで売る
③ 売れなかったら廃棄処分する

③ 家のレイアウトを見直す

家族構成が変わり、家で暮らす家族の人数が少なくなったら、老後の生活を見据えて家のレイアウトを見直しましょう。

つまり、今まで暮らしていた人ではなく、これからこの家で暮らす人中心の部屋割りを考えるということです。

一人暮らしを始めた、あるいは結婚して家を出た子どもの部屋を片付け、夫婦それぞれの部屋や趣味の部屋やスペースを確保しましょう。
寝室を分けて夫婦それぞれの部屋を持つことで、自分のペースに合わせて生活することができます。
また、客室やフリースペースを設けておくと、子どもが帰省したときや来客時に役立ちます。

<片付ける部屋>
・一人立ちした子どもの部屋
・物置き部屋

<新しく用意する部屋>
・夫婦それぞれの寝室
・趣味の部屋
・客室(フリースペース)

④ 家財道具を使いやすいものに買い替える

生前整理で古い家財道具を処分して、より使いやすいものに買い替えましょう。

「新しいものを買ったら、また物が増えてしまうのでは?」と思われるかもしれませんが、生前整理の目的は物を減らすことではありません

生前整理を行う目的とは何か?

・老後の生活を快適にする
・残される家族の負担を減らす

生前整理では、これからの生活環境をより快適にするために、物を減らすのです。

使いにくい家電、古くなって危ない家具、重たい食器などは積極的に処分し、より使いやすい物に買い替えましょう。
そうすることで、これからの生活を快適に、暮らしやすくすることができます。

新しい家財道具を選ぶときは、今の自分ではなく、もう少し年を取ってからも快適に使えるかどうかで判断することがポイントです。

買い替えるべき家財道具の一例
・使いにくい家電
・古くなって危ない家具
・重たい食器

残される家族の負担を減らす4つのプラン

遺書を作成する人の画像

生前整理を行うもう一つの目的は、自分に万が一のことがあった場合の家族へ負担を、今のうちに少しでも減らしておくことです。
そのために役立つ、生前整理の4つのプランをご紹介します!

生前整理の4つのプラン(残される家族のため)

① 資産を整理する
② 貴重品をお金に換える
③ デジタル遺品を整理する
④ 書類や紙類を整理・処分する

すべての作業を行う必要はありません。
ご自分の現状と、ご家族の状況に合わせて、できる範囲で整理・片づけを行っていきましょう

① 資産を整理する

生前整理では、自分が所有する資産をすべて確認して記録する作業を行うとよいでしょう。

預貯金や株・債券などの金融資産、不動産のほか、デジタル資産、金券やポイントなども含めて、すべての資産についての情報を、わかりやすく記録しておきます。
エンディングノートなど、自分に万が一のことがあったときに残された家族に読んでもらえるような場所に記録することが大事です。

特に、自分しか把握できないようなデジタル資産やさまざまなショップのポイントは、どのように管理しているかを明確にしておきましょう。
紛失の危険がある金券などは、早めに使ってしまうほうが安全です。

整理しておくべき資産の一例
・銀行貯金
・株、債券
・不動産
・デジタル資産
・金券、ポイント


⇒ エンディングノートなどに記録する
⇒ 管理方法を明確にする
⇒ 早めに使ってしまう

② 貴重品をお金に換える

美術品、稀覯本、骨とう品やレアグッズなど貴重なコレクションを所有している場合は、これらの扱いについてはっきりさせておく必要があります。

換金可能な貴重品を相続する場合、一定の金額を超える物については相続税がかかる点に注意が必要です。貴重品のおおよその価値や鑑定方法、保管方法などについてもしっかり記録し、相続する可能性のある人に伝えておきましょう。
貴重品の価値を事前に伝えることで、価値に気づかずに不用品と一緒に処分されてしまう危険を未然に防げるというメリットがあります。

また、素人では鑑定や売買が難しい貴重品は、今のうちに現金に換えておくという方法もおすすめです。

換金可能な貴重品の一例
・美術品
・稀覯本
・骨とう品
・レアグッズ


⇒ おおよその価値や鑑定方法、保管方法を伝える
⇒ 今のうちに現金に換えておく

③ デジタル遺品を整理する

遺品として残されるパソコンやスマホなどの電子機器のことを、デジタル遺品といいます。

デジタル遺品を処分するには、契約情報やログインするためのID・パスワードを知っておかなければなりません。
その上で、個人情報を確実に削除する、有料サービスなどの契約を解除するといったたくさんの作業が必要になります。
廃棄処分せずに誰かに使ってもらう場合でも同様です。

何の情報もないまま遺品として残されたデジタル機器を処分するのは、とても大変な作業です。場合によっては、専門業者にサポートを依頼する必要があり、高額な費用がかかります

パソコン、スマホ、タブレットなどを使っている場合は、必要な書類や情報を整理しておくなど、電子機器の生前整理を少しずつ進めておきましょう。

電子機器の生前整理
・プロバイダーの契約書類を揃えておく
・電話会社の契約書類を揃えておく
・スマホ、パソコンのログインIDとパスワードをメモする
・使っていない有料サービスを解約する

・個人情報を削除する

④ 書類/紙類を整理・処分する

写真、手紙、領収書や契約書などの書類、説明書など、長期間保管されている紙類を整理し、必要のないものは処分しておきましょう。

「どれが必要な書類で、廃棄してもよい書類はどれか?」ということを判断できるのは、持ち主だけです。

たくさんの書類が遺品として残された場合、残された家族は、必要か書類かどうかを一つひとつ検討しながら分類しなければなりません。そのためには、膨大な時間と手間が必要になります。
分別するのが困難な場合、必要な書類もまとめて廃棄処分されてしまうかもしれません。

大量の書類や紙類を保管している場合は、今のうちに整理・処分して、必要な物だけを残すようにしておくことが大切です。

整理・処分すべき書類/紙類
・領収書/請求書
・契約書

・説明書
・パンフレット
・チラシ
・メモ/覚書き

・作品
・写真
・手紙

まとめ

生前整理で行うべき作業プランをご紹介しました。

これから生前整理を進めていくにあたっての、具体的な作業内容をイメージすることができたでしょうか。

すべてのプランを行う必要はありませんし、完璧に整理・片づけを行う必要もありません。
生前整理は、ご自分のニーズに合わせて、無理のない範囲で、少しずつ進めていくことが大切です。

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