「遺骨がダイヤモンドに?」世界が注目するダイヤモンド葬の基本情報と費用相場

小粒のたくさんのダイヤモンドの画像

「亡くなった方の遺骨でダイヤモンドを作る」というサービスが人気です。

骨からダイヤモンドができるなんて、ちょっとびっくりしますよね。

でも、遺骨を埋葬する代わりに、ダイヤモンドに形を変えて身に着けることで供養するという新しいかたちの埋葬に、今、世界中から注目が集まっています。

「一体、どんなふうになっているの?」
と、気になっている方も多いのではないでしょうか。

・ダイヤモンド葬とは何か?
・遺骨がダイヤモンドになる秘密
・メモリアル・ダイヤモンドの費用相場
・ダイヤモンド葬についての疑問

など、ダイヤモンド葬についての基本的な知識をご紹介したいと思います。

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目次

ダイヤモンド葬とは?

ダイヤモンド葬とは、亡くなった方の遺骨や遺灰をお墓に埋葬する代わりに、ダイヤモンドに形を変えて供養するという、新しいかたちの埋葬方法です(厳密に言うと、埋葬ではありませんが…)。

もちろん、遺骨が勝手にダイヤモンドに変化するわけではありません。
火葬したあとの遺骨から炭素を取り出し、その炭素を原料にダイヤモンドを精製するという仕組みになっています。

遺骨から作られるダイヤモンドは、

  • メモリアル・ダイヤモンド
  • 遺骨ダイヤモンド
  • 遺灰ダイヤモンド

といった名前で呼ばれています。

ダイヤモンド葬では遺骨をダイヤモンドに変えてしまうので、お墓に遺骨を埋葬する必要がありません
ダイヤモンドを身に着けたり、手元に置いておくことが供養になります。

ダイヤモンド葬とは?

・亡くなった方の遺骨でダイヤモンドを作ること
・お墓に遺骨を埋葬する必要がない
・メモリアル・ダイヤモンドを手元に置くことで供養とする

ダイヤモンド葬の始まりは2002年

ダイヤモンドリングをする手の画像

メモリアル・ダイヤモンドが作られるようになったのは、今から20年ほど前のことです。

2002年、アメリカのライフジェム社が遺骨から炭素を精製し、ダイヤモンドを作る技術を確立。遺骨をダイヤモンドにするというサービスを、世界で最初にスタートしました。

現在では、アメリカのライフジェム社、スイスのアルゴダンザ社など、主に5つの企業が、世界33カ国でこのサービスを提供しています。

もちろん、日本からこのサービスを利用することが可能で、すでに多くの方が、ダイヤモンド葬をおこなっています。

・ダイヤモンド葬の始まりは2002年頃
・世界33カ国で行われている
・日本でも遺骨からダイヤモンドを作るサービスを利用できる

ダイヤモンド葬では、お墓に埋葬できない?

ダイヤモンド葬では、メモリアル・ダイヤモンドを手元に置くことが供養になるとお伝えしましたが、もちろん、お墓に遺骨の一部を埋葬することができます。

ダイヤモンド葬と、墓地への埋葬の両方を行うほか、遺骨すべてを使ってメモリアル・ダイヤモンドを作ることもできます。

ダイヤモンド葬には特別なルールや決まりがあるわけではないので、亡くなった方の意志、ご遺族の希望に応じたかたちで葬儀や埋葬を行って構わないのです。

ただし、メモリアル・ダイヤモンドを作ったあとで、元の遺骨の状態に戻すことはできません

ご自身だけでなく、ご遺族全員の意志を確認したうえで申し込みをすることが大切です。

・ダイヤモンド葬では、分骨して埋葬することも可能
・ダイヤモンドになった遺骨を、元に戻すことはできない

遺骨がダイヤモンドに生まれ変わる秘密

ダイヤモンドの原石の画像

それにしても、一体どうして、亡くなった方の遺骨がダイヤモンドになるのでしょう。
不思議に思いませんか?

実は、遺骨や遺灰には、ダイヤモンドの原料である炭素が含まれています

火葬した後の遺骨から炭素を抽出し、地球内部のマントルに近い高温高圧の環境で精製することで、天然のダイヤモンドと同じ成分を持つダイヤモンドを作り出すことができるのです。

とても興味深いことに、遺骨から精製されたダイヤモンドは、炭素のほかに遺骨に微量に含まれる元素の種類や量によって色合いが変わります。
無色透明のものから美しいブルーまで、どのような色に仕上がるかは完成するまでわかりません

ただし、企業によってはダイヤモンドの色合いを指定できる場合もあります。

遺骨からダイヤモンドを作る方法とは?

・遺骨や遺灰からダイヤモンドの原料となる「炭素」を抽出
・炭素を高温高圧の環境でダイヤモンドを精製する
・出来上がるダイヤモンドは、遺骨の成分により色が変わる

遺骨から作られるダイヤモンドのサイズは? 期間はどれくらい?

一人の方の遺骨から作られるダイヤモンドの量は、一番小さいサイズで0.2g程度
0.2gのダイヤモンドは、1カラットに相当します。

希望に応じて、より大きいサイズのダイヤモンドや、複数のダイヤモンドを作ることも可能です。

ちなみに、ダイヤモンドを作るために必要な遺骨の量、精製されるダイヤモンドの量は企業によって異なります。
例えば、アルゴダンザ社では400g以上、ライフジェム社では70~100gの遺骨の遺骨からダイヤモンドを精製すると公式サイトに書かれています。

一般的に、大人の男性の遺骨の重さは2~3kgと言われており、その1/3程度の量を使ってダイヤモンドを精製することになります。
遺骨の量が少ない場合は、遺灰や髪の毛などもダイヤモンドの原料として使うことができる企業もあるようです。

ダイヤモンドができるまでにかかる期間は、6~8週間あるいは、5ヵ月~8か月程度と、こちらも企業によって異なります。

・遺骨からダイヤモンドを精製するのにかかる期間は2~8ヶ月程度(企業によって異なる)
・ダイヤモンド製作に必要な遺骨の量は、100~400g程度 (企業によって異なる)

遺骨からダイヤモンドを作る費用相場

ダイヤモンド葬に必要な費用は、およそ40~200万円。

0.2カラットのダイヤモンドを精製し、カッティングを施してアクセサリーに仕立てると、50~60万円程度の金額になります。

決して安くはありませんが、お墓を建てて埋葬し、毎年管理費を払い続けることに比べることを考えると、安いと言えるかもしれません。

遺骨から精製したダイヤモンドは、原石の状態で受け取ることもできます。
実際には、指輪やネックレス、イアリング、ピアスなど、さまざまなアクセサリーの形で受け取るケースが多いようです。

希望に応じて、よりサイズの大きいダイヤモンド、あるいは、透明度の高いダイヤモンドを選ぶこともできます。

・遺骨からダイヤモンドを作るのにかかる費用は、40~60万円程度
・ダイヤモンドをアクセサリーに成形する人が多い
・完成したダイヤモンドは、原石のまま受け取ることも可能

遺骨からダイヤモンドを作っても大丈夫?

ダイヤモンドの画像

亡くなった方の遺骨からダイヤモンドを作ることは、違法にはならないの?
という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

確かに、日本では遺骨を「墓地以外の場所に放置・遺棄」することが禁止されています

しかし、遺骨を自宅で保管することや、粉状にして散骨することは違法ではありません。

実際、分骨をして自宅に遺骨を置いて供養したり、海や森に散骨したりすることは、ごく普通に行われていますよね。

遺骨から炭素を抽出してダイヤモンドを作ることについては、明確な決まりはないのですが、遺骨を墓地以外の場所に放置・遺棄することにはならないので問題ないと考えて良さそうです。

・遺骨からダイヤモンドを作ることは違法ではない

古い遺骨からメモリアル・ダイヤモンドが作れる

日本でダイヤモンド葬が行われるようになったのは、最近のことなので、もう少し早かったら自分もそうしたかったと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

実は、メモリアル・ダイヤモンドは、納骨されている古い遺骨からも作ることができます

納骨された遺骨をすべて使ってメモリアル・ダイヤモンドを作り、墓じまいをしたいというニーズもあるようです。

また、遺骨の量が少なかったり、脆くなったりしている状態でも、 メモリアル・ダイヤモンドを作ることができます。

・遺骨の量が少ない場合でも、ダイヤモンドを作れる
・納骨された古い骨からも、ダイヤモンドを作れる

ペットの遺骨でもメモリアル・ダイヤモンドが作れる

犬と猫の画像

メモリアル・ダイヤモンドは、ペットの遺骨からも作ることができます

火葬したあとのペットの遺骨、ペットの毛から抽出した成分でダイヤモンドを精製しますが、遺骨の量が十分でない場合は、必要な量の炭素を足して精製することができます。

また、ペットが使っていたリードや洋服など、思い出の品物を素材として加えることも可能です。

・ペットの遺骨からも、ダイヤモンドを作れる
・遺骨が足りない場合は、毛や使っていたグッズも原料にできる

まとめ

亡くなった方の遺骨からメモリアル・ダイヤモンドを作って供養を行う、ダイヤモンド葬についてご紹介しました。

メモリアル・ダイヤモンドを作っている企業はまだわずかしかありませんが、今後ニーズが増えていけば、サービスを提供する企業が増えてくるでしょう。
そのときには、より利用しやすい、リーズナブルなダイヤモンド葬のサービスが登場するかもしれませんね。

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