散骨(さんこつ)とはどんなもの? 申し込み方法は?【手続きの流れと費用相場】

海と花束の画像

お墓に埋葬する以外の方法を考えるとき、真っ先に思い浮かぶのは「散骨」ではないでしょうか?
海や森の中で、ゆっくりと自然に還っていくイメージに憧れますよね。

散骨は、日本で許可されている数少ない自然葬のひとつとして、大きな注目が集まっています。
しかし実際は、「具体的な方法やどれくらいの費用がかかるのか、よくわからない!」と感じている方が多いようです。

  • 散骨の基本情報
  • 散骨できる場所
  • 申し込み方法
  • 手続きの流れ
  • 費用相場 など

この記事では、ぜひ知っておきたい、散骨の基本的な情報をご紹介します。

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目次

散骨とは?

散骨とは、火葬した後の遺骨を粉状にして海や森に撒くことです。
自然葬の中でも、とても人気のある埋葬方法のひとつですね。

散骨する場合、遺骨をおよそ2ミリ以下に粉骨(ふんこつ)する必要があります
なぜなら、骨の形状のまま森に放置したり、海に撒くことは、法律で禁止されているからです。

粉骨は、文字通り、骨を粉砕してすりつぶし、細かいパウダー状にすることを意味します。
火葬したあとの遺骨を自分で粉骨してもOKなのですが、かなり手間がかかるようです。
ですので、実際は、専門の粉骨業者に依頼するケースが多くなっています。業者が提供する散骨プランには、ほとんどの場合、粉骨加工のサービスが含まれています。

散骨では、粉状にした遺骨を海や森など自然の中に撒くことで供養しますが、一部を自宅に保管して「手元供養(てもとくよう)」することができます。
また、遺骨を分骨し、一部だけを散骨する方法もあります。

散骨できる場所はどこ? 自宅の庭でもできる?

森の画像

粉状にした遺骨は、海や森など自然の中に散骨します。

実は、遺骨を埋葬する場合と違って、散骨には明確なルールがありません。
ですので、法律上は、どこに散骨してもかまわないということになっています。

とはいっても、他人の敷地に勝手に侵入して撒くことは法律違反ですし、海水浴場や漁場、公共の場所、国有地などに立ち入って勝手に撒くことも絶対にNGです。

もし、あなたの自宅の庭や畑、駐車場、隣にある公園で誰かが散骨したらどうしますか? とても困りますよね。おそらく、すぐに、誰かが警察に通報するでしょう。
無許可で散骨を行おうとすると大変なトラブルになる可能性があるので、十分注意しましょう。

散骨にルールはありませんが、許可されたエリアで、他の人に迷惑がかからないよう、常識の範囲内で行うのならばOK。あるいは、状況によりOK。ということになっています。
実際は、業者に依頼し、散骨可能なエリアに撒くケースが一般的です。

ちなみに、所有する敷地内で散骨することは禁止されていません。
しかし、粉状の遺骨が風に乗って他人の敷地や公共の場所、畑などに飛んで行ってしまうと、トラブルになる危険があります。よほど広い敷地や山林などを所有している場合で、風に飛ばされないよう工夫して撒くのであれば、所有する敷地内で散骨することが可能です。

散骨するにはどうすればいい? どこで申し込める?

船と海の画像

散骨は、業者に粉骨してもらったのち、海や森に撒く方法が一般的です。
海、森や山林、それぞれの散骨方法について見ていきましょう。

① 海洋散骨は業者のプランを選ぶ

海に遺骨を撒くことを、海洋散骨(かいようさんこつ)といいます。

海は広いでのでどこにでも散骨できそうに思えますが、人が泳いでいる場所や漁業を行っている場所、養殖場などの近くに勝手に散骨することはできません。周りに迷惑がかからないよう、かなり沖合の場所まで行って散骨しなければならないので、自分で船を出して散骨しに行くことはかなり困難です。

したがって、海洋散骨では、専門の業者が提供している散骨プランを利用する方法が一般的です。
粉骨からすべてお任せで依頼することができ、希望に応じたプランを利用できます。

海に散骨しに行くプラン
貸し切りプラン
散骨だけをお任せするプラン など

北海道から沖縄まで、日本近海のさまざまな地域の海上での散骨が可能です。ハワイなど海外での散骨にも対応している業者もあります。

② 森や山林での散骨は所有者の許可が必要

森や山林での散骨は、寺院や霊園などの業者が所有する山林の敷地内で行うのが一般的です。
寺院や業者が提供している散骨のプランを利用しましょう。

海洋散骨同様、親族などで一緒に散骨するプランや、お任せで散骨を依頼できるプランなどが提供されています。

どうしても個人的に行いたい場合は、敷地の所有者の許可を得て、周りに遺骨が飛んでいってしまうなどの影響がない場所であれば、散骨しても大丈夫です。

前章でもお伝えしましたが、公共の場所、国有地、私有地などで勝手に散骨することは禁止されています。不法侵入になりますので、十分注意しましょう。

散骨を業者に依頼する場合の手続きの流れ

① 業者を選ぶ
② 申し込みをする
③ 遺骨を預ける
④ 業者にて粉骨
⑤ 散骨を行う

① 業者を選ぶ
散骨を業者に依頼する場合、まずは、自分のニーズに合ったプランを提供している業者を選びましょう。
ネットで検索すると、散骨を行っている業者やプランを見つけることができます。

② 申し込みをする
必ず見積もりを取って金額、詳細、どんなサービスが料金に含まれているかを確認したうえで申し込みましょう。
支払いのタイミングは、業者によって異なるのでお問い合わせください。

③ 遺骨を預ける
手続き完了後、遺骨を送付または持ち込みして預けます。
遺骨を送付する場合は、別途送料が必要です。専用のケース(有料)を手配してくれる業者もあります。

事前に粉骨している場合も、遺骨は一旦業者に預け、人数分に分けるなど、安全に散骨できるように準備をしてもらいましょう。

④ 業者にて粉骨
遺骨を洗浄、異物などを取り除き、粉骨。その後、散骨するための準備を行います。
業者によっては、散骨代金と粉骨代金が別になっている場合があります。

⑤ 散骨を行う
お任せプランの場合は、あとは報告を待つだけです。
一緒に散骨しに行く場合は、散骨可能な日程でスケジュールを調整。当日、指定の場所に集まって散骨を行います。
海洋散骨の場合は、出航可能な日時が限られるのですぐに散骨できるわけではありません。余裕を持って参加者のスケジュールを確認しておくことが大切です。

散骨はいくらかかる? 気になる費用相場

散骨にかかる費用は、業者や散骨のプラン、散骨場所、オプション料金の有無などによってかなり幅があります
参考の費用をご紹介していますが、ご遺骨の状況や散骨のニーズによって実際の料金が異なる点をご了承ください。

お任せで散骨する場合

お任せで散骨してもらう場合、山林での散骨料金は、およそ数万円~。海洋散骨の場合は、およそ7~8万円~。というケースが多いようです。

しかし、個々の状況によっても異なるので、必ずしもこの金額になるわけではありません。業者やプランによってはもっと安く利用することも可能ですし、もっと高額なプランもあります。
非営利団体が主催するお任せの納骨プランなら、およそ2~3万円で散骨が可能ですが、豪華なセレモニーや豊富なオプションサービスを希望する方には不向きです。

散骨しに行く場合

集まって散骨しに行く場合、山林での散骨は、お花代やセレモニーの費用が加算されますが、それほど高額の追加はありません。内容やオプションサービスによって異なりますが、10万円前後でおさめることが可能です。よりリーズナブルなプランも利用可能です。

海洋散骨の場合は出航費用が加算されるため、少なくとも15~20万円以上の費用がかかります。参加者の人数、散骨の場所によってはさらに高額になるでしょう。
7~8組合同で出航する散骨プランが一般的ですが、自分たちのグループのみで行うプライベートな散骨プラン(貸し切り)の場合は、25~30万円以上の費用がかかります。

その他の費用について

散骨証明書の発行、記念品、写真やアルバム作成、お花のご用意など、業者によってさまざまなオプションサービスを提供しています。サービスの内容もそれぞれですし、散骨費用に含まれる場合もあれば、別料金になっているケースなど、業者によって異なります。

業者・プラン選びで迷う場合は、次の2点をよく考えて、自分にあった散骨プランを選ぶことが大切です。

◎自分にはどのオプションサービスが必要か?
◎どれくらいの予算を用意できるか?


また、業者によって、粉骨加工代金が散骨の費用に含まれていない場合があります。その場合は、別途2~3万円程度の料金が必要です(実際の金額は、遺骨の状況や作業の内容、業者によって異なります)。

まとめ

注目の自然葬「散骨」について、基本情報や手続きの流れをご紹介しました。

散骨は、費用や実現するためのハードルが高いと感じていた方も、具体的な手続きや費用を知ることで、前向きに検討できるようになるのではないでしょうか。
時間をかけてしっかりと検討しておくことで、大切な方と、自分自身にとってより良い埋葬を実現することができます。

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