気にしなくても大丈夫?樹木葬のデメリット11項目を詳しく解説

夕暮れの里山の画像

樹木葬に興味があるのに、樹木葬を選んだ場合のデメリットが気になってあきらめてしまった。という方は意外と多いのではないでしょうか。

確かに、樹木葬のデメリットといわれているポイントはたくさんあります。

ですが、そのすべての項目が、自分にとってデメリットであるとは限りません

なぜなら、メリットデメリットといわれるものは、利用する方のニーズによって受け止め方が変わるからです。

つまり、ある人にとってのデメリットは、別の人にとってはメリットであったりすることもあるわけです。

ですので、メリットをただ鵜呑みにして不安がるのでもなく、樹木葬が自分に合っているのかどうかを客観的に判断していくことが大切です。
そうすることで、樹木葬を選ぶべきかどうか、自分にとって正しい判断をすることができるようになるでしょう。

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目次

樹木葬を選ぶ11のデメリット

白黒の大きな木の画像

樹木葬を選ぶ場合のデメリットには、主に次のようなものがあります。

【樹木葬を選ぶデメリット】

それぞれの項目をひとつずつ解説していきます。

気になる項目があったらぜひじっくり検証して、「これは自分にとって本当にデメリットなのか?」考えてみてください。

① 合祀すると遺骨を取り出せない

樹木葬を選ぶデメリットとしてよく言われているのが、遺骨を取り出すことができないという点です。

一般的に、樹木葬では複数の方の遺骨をまとめて同じ場所に埋葬します。これを、合祀(ごうし)といいます。
最初は個人で埋葬し、後日、合祀されるタイプの埋葬方法もあります。

合祀をすると、個人の遺骨を識別することはできなくなるので、あとから取り出して遺骨を移したいという場合に困ってしまうというわけですね。

確かに、これは大きな問題です。

ただ、ここでよく考えてみてほしいのは、そもそも、埋葬した遺骨を取り出して別の場所に移す必要があるのか?ということです。

実際、親族の遺骨をお墓から取り出した経験があるという方は、かなり稀なのではないでしょうか。
そもそも、遺骨を取り出さなければならないほどの事情が、それほど頻繁に起きるものなのでしょうか?

お墓そのものがなくなってしまうといったよほどの事情がない限り、静かに眠っている方をわざわざ掘り起こす必要はないわけです。
そう考えると、遺骨を取り出せなことはそれほど大きなデメリットではないのかもしれません。


ただし、将来的に、埋葬した遺骨を取り出して別の場所に移す予定があるという場合は別です。

その場合は、個人で埋葬し、合祀されないタイプの樹木葬を選ぶようにすることをおすすめします。

・特別な事情がなければ、合祀しても問題ない
・埋葬場所を後で変えたい場合は、個人で埋葬できる樹木葬を選ぶ

② 家族・親戚に理解されない

樹木葬を行う場合の大きなデメリットのひとつに、

・家族や親戚に反対される
・理解してもらえないという

といった点があげられます。

自分の意志を家族に理解してもらえないのはとても寂しいことです。
でも同時に、家族に辛い思いをさせたり負担をかけたりするのは、とても心苦しいですよね。

この問題を解決するには、どちらかが折れるのではなく、お互いが妥協できる方法を探していくという方法が良いかもしれません。

より現実的な解決策としては、先祖代々のお墓を残しつつ、樹木葬と半分ずつ遺骨を埋葬する(分骨)という方法があります。

家族が納得できるかたちの樹木葬をみんなで選ぶという方法も考えられます。


また、家族や親戚に反対されても、それでも自分は樹木葬を選びたいという強い理由があるならば、それを根気強く伝えていくことも大切です。

・家族や親戚が反対する場合は、話し合いが必要
・意見がまとまらない場合は、分骨するという方法もある

③ 親族が集まりにくい

樹木葬を選んだ場合、命日や年回忌の法要の際に、家族・親戚などが集まって一緒にお墓参りをすることが難しくなるのではないか?

という不安を感じることがあると思います。

実は、樹木葬にはさまざまなタイプがあり、法要のための会席所が設けられている霊園もあります。さらに、規模の大きい霊園や墓地なら広い駐車場があるので大勢で集まる場合にも安心です。
このようなタイプの樹木葬を選べば、家族や親戚がいつでも集まることができるでしょう。


ただし、里山タイプの樹木葬の場合は、立地の条件によっては、全員で集まることが難しいケースがあるかもしれません。

残された家族や親戚が集まれることを重視する場合は、行きやすい場所にある霊園タイプの樹木葬を選ぶようにするとよいでしょう。

・大勢で集まるなら、会席所や広い駐車場のある霊園がおすすめ
・頻繁にお参りに行くなら、交通の便の良い場所を選ぶ

④ 人数が多いと費用がかさむ

樹木葬で、家族全員分の樹木葬スペースを確保したり、家族で同じ場所に埋葬を行おうとすると、かえって費用が高くなる場合があります。

例えば、一人30万円の樹木葬の場合、4人分の樹木葬を行うと120万円の費用がかかります。
家族の人数分のスペースを確保できるタイプの樹木葬もありますが、その費用は100万円以上の初期費用に加え、管理費が毎年必要になります。

ちなみに、一人5万円程度の樹木葬を行う場合、人数分のスペースを確保することはできませんし、同じ場所に埋葬される保証はありません。

これでは、お墓を新しく建てるのとあまり費用が変わりませんね。
高額な費用や管理費がかかる点が、かえってデメリットとなってしまいます。

この問題の解決には、2つの方法があります

①同じスペースではなく、同じ敷地内に埋葬する
家族みんなが同じスペースに入るのではなく、同じ敷地内あるいは同じ霊園に埋葬されるというレベルであれば、比較的費用の安い、永代供養の樹木葬を選ぶことができます。

世代を分けて考える
一緒に埋葬するのは自分自身と配偶者までとし、その先のことは子ども世代に任せるという考え方もあります。
一人分、あるいは二人分の樹木葬であれば、費用が高くなりすぎることはありません。

どうしても、家族みんなが同じ方法で、同じ場所で樹木葬を行いたいのであれば、それなりの出費を覚悟することで実現可能です。

また、費用をあまりかけずに、あくまでも一族全員が同じ場所に埋葬されることを望むなら、今まで通り先祖代々のお墓に埋葬するか、新しくお墓を建てるという選択肢がのほうが現実的かもしれません。

・樹木葬で家族全員分の場所を確保しようとすると費用が高くなる
・子ども世代の埋葬は、子どもに任せる方法がおすすめ

⑤ 子どもに引き継げない

樹木葬を選択する場合、子孫にどうやって引き継いでいくかという問題があります。

先祖代々のお墓のようなイメージで樹木葬を引き継いでいきたいなら、複数で埋葬できるスペースのある、合祀しないタイプの樹木葬を選び、毎年管理費を支払っていくことで実現できるかもしれません。

ただし、それなりのスペースを確保し、将来にわたって管理していくためには、費用がかなり高額になってしまうことを覚悟しなければなりません。


もし、子孫に引き継いでいってもらうことが絶対に外せない条件であるという場合は、樹木葬よりも、お墓に埋葬する方法を選ぶことをおすすめします。

・樹木葬で個人の場所を確保し、子どもに引き継いでいくことも可能
・個人タイプの樹木葬を将来も引き継いでいくには、管理費や高額な費用がかかる

⑥ 期待していたものと違う

「樹木葬なのに自然の中じゃない」
「土に還るはずが、コンクリートのスペースに埋葬されている」
「シンボルツリーの種類が思っていたのと違う」

樹木葬を行ったあとで、ご遺族がこのような不満を感じるケースが少なくありません。

この問題を解決するには、まず、樹木葬にはさまざまな種類があることを理解する必要があります

そもそも、樹木葬には自然の中に埋葬するものと、納骨堂に埋葬するものという違いがあります。
また、すべての樹木葬に必ずしもシンボルツリーがあるわけではないのです。

樹木葬には、次のようなさまざまなタイプがあります。

・里山に埋葬するタイプの樹木葬
・フラワーガーデンに埋葬するタイプの樹木葬
・芝生を敷き詰めたガーデンタイプの樹木葬
・その他

さらに、交通の便のよい場所、車で行きやすい場所、山の中など、運営するお寺や業者によってさまざまな立地条件があります。

重要なのは、樹木葬の種類を知り、よく検討して選ぶこと

そうすれば、あとからがっかりするような事態を避けることができます。

・樹木葬にはいろいろなタイプがある
・自分のニーズに合った樹木葬のプランを選ぶことが大事

樹木葬の基本情報を知りたい方は、こちらの記事がおすすめ!

樹木葬とは?今さら聞けない!樹木葬の基本を詳しく解説

⑦ 手入れが行き届かない

美しい自然の中で眠っているはずが、数年後に訪れたら、荒れ果てた林になっていた。

こんな事態になってしまったら、とても残念ですよね。

手入れが行き届かないということは、霊園や墓地側の問題です。

ですので、樹木葬を提供している霊園や墓地選びをより慎重に行うことで、このような事態を避けることができます。

樹木葬の手入れが行き届かない問題への、3つの対処方法をご紹介します。

①安すぎる樹木葬のプランには要注意
費用が安い樹木葬は、墓地の手入れに十分な手間をかけていない可能性があります。
必ず現地を下見して確認しましょう。

②新設されたばかりの霊園は予測が難しい
新しくできたばかりの霊園の樹木葬の場合、この先どのように管理されていくのか予測が難しいという問題があります。
このような場合は、管理会社の経歴や経営状況をしっかり確認してから選ぶことが大切です。

③信頼度の高い施設の樹木葬を選ぶ
この問題を解決するには、比較的歴史が長い霊園や墓地を選ぶ方法が有効です。
また、公共の霊園や墓地は、将来的に管理が行き届かなくなる可能性が低いので安心です。

⑧ 霊園やお寺によってルールが異なる

「参拝に訪れたのに、お線香をあげることができなかった」
「お供えを断られた」

遺族の方がこのような不満をお持ちになるケースがあるようです。

大切な方にお花や好きだった食べ物をお供えしたり、お線香をあげることもできないのでは、残念ですよね。
ですが、このデメリットは、樹木葬を選ぶ際にしっかりと比較検討することで解決できる問題なのです。

実は、樹木葬をした場合でも、霊園や墓地によっては、お線香をあげたり、お供えや好みの花を飾ることができます。

なぜなら、樹木葬の参拝について明確な決まりがあるわけではなく、参拝のルールや利用の仕方は、霊園やお寺によってそれぞれ違っているからです。

ですので、ぜひともお線香をあげたいと考えているような場合は、「お線香可」というルールのある霊園を選びましょう。

自分のイメージする参拝が可能な霊園を選ぶことで、納得のいく樹木葬を実現することができます。

・お寺や霊園など、運営団体によって参拝のルールが異なる
・自分のイメージに合った参拝が可能な樹木葬を選ぶと良い

⑨ どこに埋葬されているか分からない

お墓に埋葬していれば、お墓の前で故人とゆっくりと語り合うことができるのに、樹木葬の場合、どこに向かってお参りすればよいのかわからない。

そんなお悩みをお持ちの方がいらっしゃいます。

特に、里山タイプの樹木葬を選ぶ場合、目印となる墓標やシンボルツリーがないので、どこに向かって手を合わせればよいかわかりませんよね。

そのような方にぜひお伝えしたいのは、さまざま樹木が育つその里山全体、花畑全体、庭園全体が、故人の眠るお墓なのだという樹木葬の基本的な考え方です。

目印となるお墓に手を合わせることができなくても、その場所を訪れ、辺りを散策し、同じ空気を吸うことで、大切な人の存在を感じられる。それが、自然葬であり、樹木葬なのです。

ですので、遺骨の前で手を合わせることができなくても、寂しく思う必要はありません。

里山を散策したり、フラワーガーデンで季節の花を眺めたりしながら、自然の中で癒しの時間を過ごすことが、十分に供養になるでしょう。


ちなみに、シンボルツリーや墓標のある樹木葬なら、埋葬されている場所がわかりやすいので、お参りするべき場所を明確することが可能です。

・里山タイプの樹木葬では、里山全体がお墓だと考える
・埋葬場所をはっきりさせておきたいなら、シンボルツリーや墓標のある樹木葬を選ぶ

⑩ 季節によって景観が変わる

久しぶりに参拝に訪れてみたら、辺りの景色がまるで違ってしまっていて驚いた。

といった感想をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でもこれはデメリットではなく、樹木葬とはそういうものだとご理解していただきたいと思います。

そもそも、樹木葬は「自然葬」の一種です。自然の中で眠ることが樹木葬のコンセプトなので、季節の移り変わり、木々や植物の成長と共に時が流れていきます。

従って、時間の経過に応じて、花が枯れ、草木が姿を変え、新たな命が育っていくわけです。

久しぶりに訪れて新しい風景を見ることができるのは、むしろ、樹木葬を選ぶメリットといえるかもしれません。


ただし、霊園の手入れが悪いために、景観が悪くなっている場合は、別の問題です。

前章でご紹介したように、見た目の華やかさだけでなく、将来的にきちんと管理されるような霊園を選ぶことで、次第に景観が悪くなってしまうといったトラブルを避けることができます。

・樹木葬は自然の中にあるので、季節によって景観が変わる
・時間の経過に応じて、樹木葬の周りの景観も変わることを理解する
・手入れの行き届いたお寺や霊園を選ぶと
安心

⑪ 訪れるのが困難

特に、里山タイプの樹木葬を選ぶ場合、参拝に訪れること自体が困難で残された家族が苦労するという問題があります。

ただし、先祖代々のお墓が遠方にあるような場合も同様の問題が起きるわけですから、これは樹木葬に限ったデメリットではありません。

参拝される方が、車で行くことができない、遠方だと行くのが困難、里山のような場所に慣れていないといった事情がある場合は、交通の便の良い場所にある霊園や墓地を選びましょう

駅の近くや、公共交通機関が利用できる場所、都市部や住宅地に隣接しているなど、行きやすさにこだわった霊園がたくさんあります

お住まいの地域の近くで、行きやすい場所という条件で、樹木葬ができる霊園や墓地を選ぶことで、「訪れるのが困難」というデメリットを解決することができます。

・車を使えない場合は、公共交通機関が利用できる場所を選ぶ
・頻繁にお参りする場合は、アクセスの良い場所を選ぶ
・駅の近くや、住宅地に近い樹木葬もある

まとめ

樹木葬を選ぶデメリットをご紹介しました。

樹木葬を検討していく中で、今回ご紹介したほかにも、気になるポイントがまだまだ出てくるかと思います。

そういった小さな疑問を一つひとつクリアにしながら、より、自分たちのイメージに近い樹木葬を選ぶことで、後悔することない、納得のいく樹木葬を実現することができます。

また、十分に比較検討して樹木葬のプランを選ぶことで、今回ご紹介したようなデメリットを解決することができるでしょう。

さまざまなメリットのある樹木葬を、ご自分にとっても、ご家族にとっても納得のいくかたちで実現できるよう、ぜひ、じっくり検討してみてください。

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